【営業が汲み取るべきポイント】
① 「情報システム部の経営統合/合併」=IT基盤や体制が大きく動いている兆し
情報システム部の統合は、会社の基幹インフラ・セキュリティ・業務システムの再構築や刷新を伴う可能性が高く、以下のような背景が考えられます:
背景の仮説 | 企業の意図・事情 |
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グループ会社・子会社とのシステム統合 | ITガバナンスの強化、コスト削減 |
組織再編に伴う業務基盤の再整理 | ワークフローの再設計、利用ツールの統一 |
経営統合後の重複システムの整理 | ERPやSFA、グループウェアの選定・切替 |
セキュリティポリシーの見直し | 権限管理、ゼロトラスト対応など |
➡️“システム再構築”や“ベンダー選定”が進行またはこれから始まる可能性が高いです。
② 山田太郎さんは「統合作業の陣頭指揮者」であり、非常に重要な営業ターゲット
- 合併後の情報システム部長に就任=新体制の中で責任・裁量・課題が集中している立場
- システム環境やベンダーを評価・選定・調整するキーパーソンである可能性が高い
➡️ 新しいIT環境・運用方針の構築に向けて、外部リソースを求めている状態と想定できます。
【営業が取るべき具体的行動】
ステップ1:相手の立場を想像して、提案仮説を立てる
- 「各社で使っていたIT資産が統一されておらず、共通化に向けた方針設計が急務では?」
- 「統合直後で、現場はツールやワークフローが混乱しているのでは?」
- 「インフラ・セキュリティの統一/ヘルプデスクなど運用面の一元化も課題になっているのでは?」
相手が抱える可能性のある課題 | 提案できる切り口 |
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システムの選定・統一で迷っている | クラウド、グループウェア、ERP、ゼロトラストなどの提案 |
複数システムの運用負荷に悩んでいる | 運用管理支援、アウトソーシング、ITSM |
ユーザー・ID管理が複雑化している | ID統合、SSO、アクセス制御系ソリューション |
旧システムとの互換性が心配 | ハイブリッド環境対応やマイグレーション支援 |
ステップ2:アプローチの言語化(メール・電話・訪問トーク)
メール文面
件名: 経営統合に伴う情報システム部門統合支援のご提案
本文:
〇〇様
突然のご連絡失礼いたします。〇〇株式会社の△△と申します。
このたび、貴社の情報システム部門が経営統合されるとの情報を拝見し、ご連絡させていただきました。
統合後のIT環境では、システムや運用の統一、セキュリティ対応、業務効率化など、多くの課題が発生されるかと存じます。
弊社では、複数事業体にまたがるIT基盤の統一・最適化支援を行っており、導入・運用支援の両面でご支援可能です。
ご多忙の中とは存じますが、一度ご状況をお聞かせいただければ幸いです。
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〇〇株式会社
△△(氏名)
TEL:xxx-xxx-xxxx
MAIL:xxx@xxx.co.jp
電話トーク
今回の経営統合により、情報システム部門の統一でお忙しい中かと思います。
当社では、IT環境の統合・効率化に関して多数の支援実績がございますので、御社に合う形でご提案できればと考えております。
訪問トーク
情報システム部門の統合により、現場でもツールの選定や業務プロセスの統一が求められているかと拝察しております。
当社では、統合時における混乱を最小限にし、運用しやすい環境に整える支援が可能です。具体的なご課題をぜひお聞かせください。
ステップ3:行動アクション
- 統合対象となる情報システム部門の構成(組織図・責任者)を調査
- 統合目的(コスト最適化/ガバナンス強化/デジタル戦略)を想定
- 自社の「統合支援実績」「IT標準化ツール」「アウトソーシングサービス」などを整理
- 対象企業の既存IT環境に合う導入しやすい支援メニューを作成
- 本社・子会社両方のシステム部門にアプローチし、導入意思決定者と現場運用者の両面で関係構築を進める
まとめ:行動アクションの基本は「追う・探る・提案する」
経営統合における情報システム部の統合は、営業にとっては “組織の変革を支援する” 絶好のタイミング。早期に入り込めれば、今後の全社IT方針策定にも影響を与えるパートナーとして長期的な関係構築が可能です。
追う
- 統合される組織・システム・キーパーソンの情報を正確に収集
探る
- 統合によって発生する課題(非統一、非効率、混乱)を仮説立てして対話で深掘り
提案する
- 自社の統合支援ソリューションを、短期導入・低負荷運用という視点で提案